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卒業生を知ろう

活躍する卒業生Vol.23 山口 量平 さん(全日本空輸株式会社)

山口 量平 さんプロフィール

2016年度法学部国際政治学科卒業
全日本空輸株式会社

私の学生生活とは、もう一度同じことをやれと言われてもきっとできないような、挫折と充実が織り混ざったギリギリの毎日だったと記憶しています。
それでも、自分の選択は間違っていなかったと自信を持てる学生生活でした。

入学してすぐ男子ラクロス部に入部し、4年次には副将と学生コーチを務めました。
”日本一になる”という覚悟で入部しましたが、2年時に怪我をしプレイヤーから学生コーチに転身。

もちろん目標がブレることはありませんでしたが、あまりにも納得のいかない現実に、長い間目を向けられませんでした。
自分のプレーでチームを日本一に導くのではなく、自分の”存在”でチームを変え、結果を求めなければいけないという風に立場が変わったことを理解するのに、かなりの時間がかかりました。

プレイヤーとしての喜びを感じることは無くなってしまいましたが、自分が育てた選手が活躍する姿を見る瞬間は、それまでの人生では感じたことがない喜びでした。
嬉しい瞬間がたった一瞬でも、その一瞬のために頑張れる自分がいること、主語が”自分”から”仲間”に変わったこと、新しい価値観が自分の中に生まれていたことに気が付いた、大切な期間でした。

【写真】ラクロス部での経験が自分を大きく変えました

私は現在、ANAの自社養成パイロット訓練生として日々訓練に励んでおります。
およそ2年半にわたる訓練は4つのPhaseに分かれており、それぞれのPhaseを進むごとに操縦方法や飛行機の大きさが旅客機に近づいていく訓練体系となっています。

訓練では操縦方法を学ぶことはもちろん、航空法、気象、航空生理等の知識を地上で充分に学んだ上で、上空ではそれを遺憾無く発揮するための判断力、重なったタスクを処理する対応力、予期せぬ事態が起きても動じない精神力とそれを打破する想像力を養っています。
朝のブリーフィングに始まり、その日のレッスンの振り返り、同期への事象共有、次のレッスンの準備と一日中フライトのことを考える毎日です。
高いモチベーションを持つ同期同士で互いを鼓舞し、訓練に励んでいます。

パイロットという職業は時々、”Lifelong Learner”と比喩されます。
“なにが起きても絶対に安全を守る。見えない剣を磨き続けるようなものなんだよ”と言った先輩乗員の言葉は、自分の理想を表現するには充分すぎる言葉でした。
今後はまだ続く訓練で自分の技倆、人格を磨き、目の前の目標である副操縦士昇格を目指しています。
その後も鍛錬を重ね、人間としての幅を広げ、機長昇格を最終目標とし、空の安全を守る一人のAirmanとなれるよう努力して参ります。

【写真】機長昇格という最終目標を叶えるために日々訓練に励んでいます

飛行機は常に向かい風の中を離陸、着陸します。
現在、世界中でコロナという向かい風が吹き荒れていますが、いつかこの状況を安全に着陸し、新しい未来へ離陸できる日々が来ることを願っています。
世界中の人々の努力が実り、以前と同じ様に世界中を飛び回れるその日を今から心待ちにしております。